医療業界で危惧されている救急車問題

救急車の出動回数の多さが、医療業界で問題となっています。部屋にヘンな虫がいるから何とかしてほしい、ゲリラ豪雨に遭ったから病院まで送ってほしい、などという用件で救急車を呼ぶ人がいるため、本当に治療が必要な人に看護の手が回らないことがあるのです。

実際のところ救急車を利用した患者のうち、約半数は軽傷だったというデータがあります。そこで行政が救急車の適性な利用を啓蒙しました。しかし適性な利用を啓蒙したことで、今度は本当に治療を必要とする人が救急車を呼ぶことを躊躇してしまうという問題が生じたのです。

重症なのに救急車を出動させることをためらい、自分の車でなんとか病院までたどり着いたにもかかわらず、着いた瞬間に心肺停止で倒れたという実例もあります。では体に不調を感じ、救急車を呼ぶかどうか迷ったときは、どうすればよいのでしょうか。

その解決策は各市町村にある救急相談窓口に問い合わせてみることです。救急相談窓口では24時間年中無休で医師のサポートを基に看護師を中心としたスタッフが相談を受けてくれます。救急車出動の判断だけでなく、自分で外来する際に行くべき病院や、自分でできる応急処置の方法なども教えてもらえます。

ただし救急相談窓口できるのは、あくまで緊急の症状に対する相談です。日常的に通院している病院から処方された薬に関する相談などは受け付けていません。救急相談窓口を適切に利用することが、本当に治療を必要とする人に看護の手がゆき届くことにつながるといえます。ぜひ緊急時に迷った時は活用してみましょう。